以前の記事:「適職は『好きなこと』か、『得意なこと』か。」で、自分の仕事を見つける、決めるのに、好きなことから探すか、得意なことから探すか、どちらが良いのか、という話をしました。
そして、さらにそれが誰かの役に立つのか、ということと、それに伴って報酬を得られるのか、という視点も必要、ということも書きました。
今回は、そのあたりについての考えをもう少し深く掘り下げて紹介してみたいと思います。
仕事を構成する3要素
タイトルにすでに書いていますが、良い仕事を構成する基本的な要素が3つあると考えています。
ここで言う『良い仕事』というのは、自分にとってやり甲斐があって、成果が出て、自分が納得できて満足度が高い状態になって、さらにそれをずっと続けられるような仕事のことを指すこととします。
その人や状況、立場などによって、『仕事』を、『やるべきこと』などに置き換えてみてもらっても良いかと思います。
そしてその3要素とは、
- 好き
これは、誰に言われなくてもやりたい、何時間でもやっていたい、やっていたら時間を忘れる、これさえできたら幸せ、みたいなことです。想像はできると思います。 - 得意
これも、なんとなくイメージはできるでしょう。人よりうまくできる、上達が早い、人から褒められる、というようなことです。 - 大義
これは、表現が難しいのですが、辞書的な意味では、
・ 人として守る道義、節義。人倫の筋道。
・ 重要な意義。大事な事柄。
などと説明されています。
ピンとこないかもしれませんが、要するに、スジが通っていて、人として大事なこと、人のためになること、社会的に意義があること、そのようなことを、総じて私は『大義』と言うことにしています。
これら3つの要素で、仕事は構成されるとイメージしています。ザックリとした説明ですが、イメージだけ捉えてもらえたら良いです。
仕事の成果は3要素の掛け算
これら3つの要素が組み合わさって仕事が構成される、というイメージをお伝えしましたが、それがどう組み合わされるか、というと、3つの掛け算だと考えます。
それは、それぞれの要素がガチっと組み合わさったときの効果や成果の大きさが、足し算的ではなく、掛け算的に大きくなると感じられるからです。
感覚的なものなのですが、これまでの経験から、しっくりくると思っています。ここから先の話はこの前提で進めます。
もちろん、それぞれの要素がすべて大きいと、得られる結果も大きくなりますね。
でも、そんなことは簡単に見つからないでしょうし、まああまり無いと思います。そして、その必要も無いと思います。
と、言うのは、掛け算なので、どれか1つかすごく大きいと、答えも大きくなります。
なので、均等に大きいもの(かなり好きで、かなり得意で、かなり大義のあるもの)を探す必要ななくて、どれか1つだけ、ものすごく大きいものを探せば良いと思うのです。
たとえば、まあまあ好きで、それなりに大義があって、すごく得意。みたいな。
どれか1つだけトガったことを見つけたら、結果、最も成果の大きいことに辿り着くかも。ということです。
1つでもゼロがあってはいけない
ここで、気をつけないといけないことがあります。それは、3つの要素のうち1つでもゼロがあってはいけない、ということです。掛け算なので、1つでもゼロがあると、答えはゼロになります。
これは、実際そうなる感触があります。
たとえば、どんなに得意でも、ちょっとも好きじゃないことは、長く続かず、成果につながらないでしょう。
また他にも、めちゃめちゃ好きで、ものすごく得意なことでも、それが犯罪行為であったり、他人を貶めるようなこと(大義=ゼロ)であったりしては、やって良いことではないですね。
なので、ゼロじゃないことを選んでください。ちょっとだけ好き、でも良いと思います。
他の要素が大きければ、大きな成果が期待できるでしょう。もちろん、それぞれがそこそこのもの、があれば、それでも良いと思います。とにかく、掛け算の答えになる、というのを意識してみてください。
アプローチはどこからでも良い
こういうイメージで考えると、何をやるか考える、仕事を選ぶ、などのときに、すごく好きなことじゃないとダメ、とか、人一倍得意なことじゃないとダメ、という縛りはないことになりますね。
どれか一つ突出していて、それ以外がゼロじゃないこと、であれば良いので、考えやすい、見つけやすいところから考えてみたら良いと思います。
報酬や収入は『要素』ではない
仕事をやるからには、もちろん報酬や売上収入なども重要ですね。でも、それは先に説明した『要素』ではなく、『仕事』の部分、すなわち、結果にあたると考えます。
掛け算の結果に報酬も含まれる、ということで、まず3つの要素の部分を先に考えるほうが、長い目で見たらうまくいくと思います。
まとめ
- 仕事= 好き x 得意 x 大義
- 3要素のうち、どれか1つ突出しることでも良い。
- でも、3つのうち1つでもゼロがあってはいけない。
- 掛け算の結果に報酬がある。
実際は、これらの要素は数値化できるものではないので、成果の大きさを事前にキッチリ知ることはできないと思います。もちろん、やってみないとわからないことも多いでしょう。
でも、どうやってみたら良いのかわからず動けない、というときに、ちょっとでも参考にしてもらえたら嬉しいです。
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