STP分析 項目③ ポジショニング

 これまでの記事で、STP分析とはどういうものか、について(記事『STP 分析で自社(自身)の立ち位置を決める』参照)、また、そのうち1つ目の項目『セグメンテーション』について(記事『STP分析 項目①セグメンテーション』参照)、2つ目の項目『ターゲティング』(記事『STP分析 項目②ターゲティング』参照)を紹介しました。

そして、今回は、『ポジショニング』について紹介します。

目次

ポジショニングとは

 ポジショニングは、他社との違いをわかりやすく表現しながら、自社(自身)の商品・サービスの魅力をターゲットに示すことです。

これまでの2つのステップで、『セグメンテーション』で市場・顧客を分類して、『ターゲティング』で、そのなかでターゲットとなる顧客セグメントを決めました。

つまり、ここからそのターゲットに対し、どうアプローチするか、を決めるのが『ポジショニング』です。

ポジショニングのやりかた

 ポジショニングとは、自社が提供する商品(サービス)において、『競合他社と差別化できるポイントを明確にすること』です。

そして、自分の視点ではなく、市場における自社(自身)ポジショニングを『客観的な視点』で明確化させて、マーケティング戦略を策定する際の材料として活用するツールあります。

それが、『ポジショニングマップ』です。

ポジショニングマップは、『縦軸』と『横軸』で4つの『象限』を作って競合他社の商品をマッピングしながら自社のポジションを明確にし、今後どのような戦略でユーザーに浸透させていくかを決めます。

言うまでもないかもしれませんが、STP分析の SとTが済んでいることが大前提です。
その上で、ポジショニングマップの作りかたを説明します。

ポジショニングマップの作りかた

1)2つの軸を決定する

 ポジショニングマップを作る際、何を軸にするか、が重要です。

その項目を何にすべきか、迷った場合に参考にできるパターンをいくつか紹介します。

・ パターン1:商品・サービスの特性

 商品・サービスの仕様や特性にもとづいて軸を決める方法です。

ただし、これは、ターゲットが既に商品・サービスについてある程度知っている、というのが前提になります。

・ パターン2:消費者のニーズ・メリット

 消費者が求めているもの、得られること、にフォーカスする方法です。高級感、安心感、など感情に訴えかけるワードが効果的です。

・ パターン3:価格・品質

 最も消費者に訴求しやすい要素です。また、価格や品質は、比較的理解しやすく、差別化しやすいため、軸として使いやすい象限です。

・ パターン4:競合との対比

 競合やその商品・サービスと明確に比較して、それに優る内容を一方の軸にし、そこで明確な差異を示すことができます。

パターンはほかにもあると思いますが、これらのパターンは、扱う商品・サービスによって向き、不向きがあるので、自社(自身)の商品・サービスにおいて、どのパターンがハマるのか、都度、吟味が必要です。

2)自社(自身)と競合の位置をマップに置く

 2つの軸が決まったら、自社(自身)と、想定される競合をマップに配置し、それぞれの市場における立ち位置をはっきりさせます。

これにより、自社(自身)がこれからおこなうプロモーションの方向性や、競合と差別化し、優位にマーケティングを進める戦略などが見えてきます。

ポジショニングマップ作成のポイント

軸は顧客視点で決める

 ポジショニングマップは、顧客がその商品・サービスに求めるニーズを軸にとることがポイントです。

つい、商品を売りたいために、そのウリと考えるアピールポイントを反映したくなるものですが、それが、顧客が求める内容でなければ、意味がありません。

軸にする項目は、顧客の視点で考えて決めましょう。

② ターゲットに合った設定をする

 商品・サービスのターゲットに合わない象限を軸にするのは最も良くないと言えます。

事前にターゲティングをしているはずなので、そこで設定したターゲットに合っているかどうかを意識しながら、軸を決定します。

また、軸の項目が曖昧になってしまうことがあり、これもポジショニングしにくくなるので良くないことです。

でも、もし、いくら考えてもそうなってしまうのであれば、ターゲティングが明確になっていなくて、ターゲットが絞りきれていない、という可能性があります。

その場合、一度ターゲティングに戻って、より具体的にターゲットを設定してみることをおすすめします。

2つの軸に相関関係を持たせない

 よくある失敗のひとつに、2軸が相関性のある内容になってしまうことです。

例えば、横軸:価格(高い←→安い)、縦軸:品質(高い←→低い) などです。

一般的に、価格が高いものは高品質であり、価格を下げれば品質が下がる、と言えるので、これらは相関関係にあることになります。

そうすると、一見2軸に見えても、実は1つの象限で完結してしまっていることになり、ポジショニングは適正にできません。

四つカドのどこかに位置できる軸を選ぶ

ポジショニングの目的は、競合との差や優位性を明確にし、ターゲットに何を訴求するか、を決めることです。

したがって、自社(自身)の優位性がはっきりする軸にする、つまり、ポジショニングマップ上で、できるだけ四つカドのどこかに近いところに位置できる軸を選ぶべきです。

逆に、中止に近いところに位置するような軸にしてしまうと、特徴がなく差別化できず、売れない商品・サービスになってしまいます。

まとめ

  • ポジショニングとは

    ポジショニングは、他社との違いをわかりやすく表現しながら、自社(自身)の商品・サービスの魅力をターゲットに示すこと。

    ポジショニングマップを作って商品・サービスの立ち位置、優位性を可視化する。
  • ポジショニングマップの作り方

    1)  軸を決める
    パターン1:商品・サービスの特性
    パターン2:消費者のニーズ・メリット
    パターン3:価格・品質
    パターン4:競合との対比

    2)  自社と他社の位置をマップに置く
    2つの軸が決まったら、自社(自身)と、想定される競合をマップに配置し、それぞれの市場における立ち位置をはっきりさせる。
  • ポジショニングマップ作成のポイント

    ① 軸は顧客視点で決める
    ② ターゲットに合った設定をする
    ③ 2つの軸に相関関係を持たせない
    ④ 四つカドのどこかに位置できる軸を選ぶ

以上、ここでは、ポジショニングについて説明しました。

 ここまでの一連の分析ができれば、その後のマーケティングやプロモーションの戦略を効果的に立てられるようになります。

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