前回の記事で、STP分析とはどういうものか、について概要を紹介しました(記事『STP 分析で自社(自身)の立ち位置を決める』参照)。
そして、ここからは、その S/T/P それぞれの項目について、具体的な進め方の一例を紹介したいと思います。
今回は、まず『セグメンテーション』についてです。
セグメンテーションとは
まずは『セグメンテーション』ですが、これは、ある商品などの市場があったとして、それをいろんな切り口で分類して、その属性ごとに細分化することです。
セグメンテーションで市場を細分化したあと、そのうちどのセグメントをターゲットにするか、という『ターゲティング』に進みます。
なので、このセグメンテーションをおこなうとき、ターゲティングを意識してやることをお勧めします。
セグメンテーションのポイント4つ
具体的には、次の4つのポイントを意識することが重要と言われています。
① 優先順位 (Rank)
② 規模の有効性 (Realistic Scale)
③ 到達可能性 (Reach)
④ 測定可能性 (Response)
これら4つのポイントは、それぞれ英語の頭文字をとって、『セグメンテーションの4R』と呼ばれています。
それぞれのポイントについて簡単に説明します。
① 優先順位 (Rank)
「自社(自身)の強みを活かせるか」「競合と比べて有利な立場を取れるか」など、セグメントの特徴を自社(自身)の状況と照らし合わせて優先順位をつけます
② 規模の有効性 (Realistic Scale)
各セグメントについて、十分な売上・利益を確保できる規模があるかどうかをチェックします。
もし、十分な規模がないと判断したら、たとえターゲットの条件と合致していても、対象から外す必要があります。
③ 到達可能性 (Reach)
各セグメントについて、自社(自身)の商品・サービスやプロモーションを届けることができるか、ということと、その難易度をチェックします。
このポイントは、マーケティングにかかるコストを抑えながら、いかに売上を効果的に伸ばせるか、ということにつながります。
④ 測定可能性
これは、ターゲティングをおこない、実際にマーケティングを実行したあとに、それがどうなったか、を測定できるかをチェックすることです。
より明確に測定できることによって、その後、何に注力して、どう修正するのか、を判断でき、効果的な戦略を立てることができます。
この4Rを意識しておこなうのですが、そのうえで、もうひとつ注意点があります。
それは、細分化できない、もしくは、細分化する意味がない、と判断した場合には、無理に細分化する必要はない、ということです。
セグメンテーションに使う変数4つ
セグメンテーションをおこなう場合、市場や顧客を分類する根拠・基準となる変数として、主に次の4つが挙げられます。
① 地理的変数(ジオグラフィック変数)
② 人口動態的変数(デモグラフィック変数)
③ 心理的変数(サイコグラフィック変数)
④ 行動変数(ビヘイビアル)
それぞれの変数について、簡単に説明します。
① 地理的変数(ジオグラフィック変数)
これは、
・ 世界や日本の地域・地方(住んでいる場所)
・ 気候(気温、湿度、降雨量、積雪量 など)
・ 人口密度
・ 発展度(都市として発展している、地域再開発がおこなわれている など)
・ 文化・生活習慣(車社会、近隣とのつながりが強い など)
・ 宗教(酒や豚肉など、一部の飲食物を禁止 など)
・ 政策(地域で特別な政策がある)
といった変数です。
オンラインビジネスでは、あまりこの変数は大きく影響しないかもしれませんが、実店舗での商品・サービスの提供を主軸とする事業だと、この部分はかなり大きなウェイトを占めると考えられます。
② 人口動態変数(デモグラフィック変数)
消費者を客観的な属性で分類したい場合に採用される変数です。例えば、
・ 年齢/年代
・ 性別
・ 職業
・ 所得
・ 最終学歴
・ 家族構成(未婚、既婚、同居、子供の有無 など)
といった変数です。
これは顧客ニーズとの関係性が強く、測定が容易であることから、多くのケースで採用されています。
最近よく聞く、『F1層』『M2層』とかいうのも、この変数のひとつですね。
③ 心理的変数(サイコグラフィック変数)
消費者の性格・価値観・ライフスタイル・趣味などの条件でセグメンテーションをおこなう場合に用いられる変数です。
デモグラフィック的な分類で同じ集団に属していても、サイコグラフィックの観点からは、まったく異なる集団に属していることがあります。
例えば、同じ20代の女性でも、流行に敏感で最新のファッションに目がない人もいれば、まったく興味がない人もいます。
これによって、消費者の心理的傾向に焦点を当ててターゲティングすることで、競合との差別化を図ることも可能です。
ただ、この心理的変数のみでターゲティングするケースはあまりなく、ほかの変数との併用で活用します。
④ 行動変数(ビヘイビアル)
これは、消費者の購買履歴や、商品・サービスに対する知識などの条件でセグメンテーションをおこなう場合に用いられる変数です。例えば、
・ 使用状況(使用頻度、タイミング、使用場面 など)
・ 購買経路
・ 商品・サービスに対する知識や態度、反応
といったものがあります。
これにより、ほとんど使用実績や知識のない新規顧客と、商品・サービスに詳しいリピーターを細分化し、それぞれのセグメントに分けて販売商品やプロモーション方法を変える、ということも可能になります。
セグメンテーション例
前述した4つのポイントを意識して、いくつかの変数を用いてセグメンテーションをおこないます。
その際、それらの変数を縦と横にまとめた表にするのが一般的です。例えば、
こんな感じ。
これはサンプルなので、簡単すぎますが、地理的変数と人口動態的変数を用いたセグメンテーション例です。
実際は、もっと実情に合った条件(変数)を用いて設定すると思います。
ここまでできると、次は、ここに並ぶマスのうち、どのマスを狙うのか、を決めます。それが、ターゲティングです。
まとめ
・ セグメンテーションとは、市場を、いろんな切り口で分類して、その属性ごとに細分化すること
・ セグメンテーションのポイント4つ
① 優先順位 (Rank)
② 規模の有効性 (Realistic Scale)
③ 到達可能性 (Reach)
④ 測定可能性 (Response)
・ セグメンテーションに使う変数4つ
① 地理的変数(ジオグラフィック変数)
② 人口動態的変数(デモグラフィック変数)
③ 心理的変数(サイコグラフィック変数)
④ 行動変数(ビヘイビアル)
今回は、セグメンテーションについて紹介しました。
そして、これができたら、ターゲティングをおこないますが、それについては、別記事で紹介したいと思います。
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