STP分析で自社(自身)の立ち位置を決める!

以前の記事で、マーケティングについて(『マーケティング、って何?』)と、3C分析による価値の見つけ方について(『3C分析で、バリュープロポジションを見つける!』)を紹介しました。

そのなかで、自社(自身)が提供できる価値が見えてきたと思います。

なので、ここでは、その続きとして、どの顧客に、その価値を提供するのか、を明確にして、市場における自社(自身)の立ち位置を決める、ということについて紹介したいと思います。

目次

STP分析とは

 まず、市場のなかでの自社(自身)の立ち位置を決めるのですが、それは次の基本的な考え方に基づいて進めます。

S セグメンテーションSegmentation) ・・・市場を俯瞰的に把握する
TターゲティングTargeting) ・・・理想の顧客像を決定する
PポジショニングPositioning) ・・・自社(自身)の立ち位置を決定する

これらの頭文字をとって、STPといいます。

そして、STP分析は、『セグメンテーション』で市場の全体像を把握し、『ターゲティング』でその中からターゲットとすべき顧客を定め、『ポジショニング』で競合他社との位置関係(差別化)を決める、という順番で進めていくケースが多く、わかりやすいのでお勧めです。

STP分析のメリット

 STP分析をする理由、メリットとして、主に次の4つが挙げられます。

① 顧客の種類と、それぞれのニーズを整理できる
② 自社(自身)の商品・サービスの特徴・強みを明確にできる
③ 他社との差別化ポイントを把握・意識できる
④ 事業戦略の土台ができる

それぞれ、内容を説明します。

メリット① 顧客の種類と、それぞれのニーズを整理できる

 市場全体を俯瞰し、その中でその市場とそこにいる顧客を細分化していくので、どんな顧客がどの市場にどのくらい居て、その顧客がどんなニーズを持っているか、を整理できます。

 3C分析で、顧客ニーズについては分析すると思いますが、ここではさらに、具体的な顧客像をイメージしながら整理していくので、より照準が合っていく感じです。

また、顧客やそのニーズを整理し、細かいところまでターゲットを絞り込んでいくことで、ペルソナ(理想の顧客像)を具体的に設定することができます。

メリット② 自社(自身)の商品・サービスの特徴・強みを明確にできる

 STP分析、特に『ターゲティング』を進めて、ターゲット(ペルソナ)を意識することで、そのターゲットに訴求できる自社(自身)商品・サービスの強みや顧客へのアピールポイントが明確になってきます。

そのことを、その後の戦略構築に活かせます。

また、それを言語化しておくことで、スタッフや協力者などとも自社(自身)の特徴を共通認識にすることができます。

メリット③ 他社との差別化ポイントを把握・意識できる

 S T P分析の『ポジショニング』の項目で、自社(自身)の商品・サービスのウリは何なのか、を設定し、できるだけ特徴を際立たせるポジションを選びます。

その際、他社の商品・サービスの特徴も整理し、比較することで、競合戦略に活かすことができます。

さらに、競合と対照的なポジションをとることで、他社(他者)との競合を回避し、優位性を発揮できる市場を選ぶ戦略も立てられます。

メリット④ 事業戦略の土台ができる

 前述した通り、『セグメンテーション』で、市場を俯瞰でき、『ターゲティング』で顧客のニーズを整理でき、『ポジショニング』で競合との差別化を図ることができます。

それが、これからおこなう事業、特にプロモーションの戦略構築の土台となります。

そして、この戦略は、STP分析をもとに言語化・可視化されているため、関係者との共通認識として浸透させやすく、組織としての一体感を高める効果も期待できます。

STP分析の注意点

 一方で、STP分析を実施するにあたって、注意しなければならない点もあります。

そのうち、代表的なものとして、次の3つが挙げられます。

① STP分析のみで終わらない
② 市場の大きさ・変化を常に確認する
③ 実施する順番にこだわりすぎない

こちらも、それぞれ内容を説明します。

注意点① STP分析のみで終わらない

 STP分析は、ターゲットを明確にし、自社(自身)の市場での立ち位置を決めるためのものです。

そこから実際に商品・サービスを認知してもらって購買に至るまでのプロセス、活動については、さらに考えないといけません。

それには、他の分析(4P分析、SWOT分析→クロスSWOT など)も併せて必要になります。

 つまり、STPは、1つのツールとして活用し、それでとどめず、多角的な視点からいろんな分析をすることが重要になります。

注意点② 市場の大きさ・変化を常に確認する

 STP分析で最適な立ち位置を見つけたとしても、それが必ずしも正しいとは限らず、また、ずっと同じ立ち位置をキープできるとも限りません。

市場は変化しますし、競合の動きも変わる可能性があります。

特に、縮小していく市場だと、早めに別の戦略も展開しないといけないでしょうし、競合の動きによっては、立ち位置を変えていく必要が出てくるかもしれません。

 つまり、注意点①でも挙げましたが、別の分析なども活用し、別の角度からの視点も持って、定期的に市場の動きを捉えながら、流動的に対応していくことが重要です。

注意点③ 実施する順番にこだわりすぎない

 一般的に、STP分析は、『セグメンテーション』の項目からスタートする、と言いました。

ただ、それは、『セグメンテーション』から始めるのが最もわかりやすい、進めやすい、と言うだけであって、必ずそうしないと失敗する、ということでもありません。

S/T/P の各項目は、互いに連動しているため、どこから始めても、そんなに大きな違いは生じないでしょう。

したがって、『セグメンテーション』を考えるのに行き詰まったりしたら、別の項目からやってみる、というのもアリです。

まとめ

  • STP分析とは

 S: セグメンテーション(Segmentation) ・・・市場を俯瞰的に把握する
 T: ターゲティング(Targeting)              ・・・理想の顧客像を決定する
 P: ポジショニング(Positioning)           ・・・自社(自身)の立ち位置を決定する

 この3つの分析をおこなうことによって、市場のなかでの自社(自身)の立ち位置を決めること。

  • STP分析のメリット4つ

    ① 顧客の種類と、それぞれのニーズを整理できる
    ② 自社(自身)の商品・サービスの特徴・強みを明確にできる
    ③ 他社との差別化ポイントを把握・意識できる
    ④事業戦略の土台ができる
  • STP分析の注意点3つ

    ① STP分析のみで終わらない
    ② 市場の大きさ・変化を常に確認する
    ③ 実施する順番にこだわりすぎない

 今回は、STP分析の概要について紹介しました。

 このあと、次の記事では、『セグメンテーション』『ターゲッティング』『ポジショニング』それぞれの分析のやり方について紹介したいと思います。

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