GIVE and TAKE

別記事:「適職は『好きなこと』か『得意なこと』か」で、自分がやる仕事を決めるときに、得意なことを意識する、ということを言いました。

そこではそれがちゃんと何かのためになって報酬を得られる価値があるのか、という視点が大事だということを紹介したつもりです。

今回は、報酬を得る視点が先行してしまうのはどうなのか? という話をしたいと思います。

目次

GIVE が先か、TAKE が先か

 仕事をするとき、もちろん、自分が儲かるかどうかを考えますね。カネになるならやろう、と思ったり、給料が多い仕事に就きたい、と思ったりするのは当たり前だと思います。

 でも一方で、それが仕事として成立する、ということはすなわち誰かがカネを払ってくれる、ということで、それが実現するのは、それを(カネを払ってでも)欲しい、と思う人がいることが大前提ですよね。

だから、自分がどれだけカネをもらえるか、ということよりも先に、誰かが欲しいと思うか、誰かの役に立つか、という視点が必要になるような気がします。

 もしくは、やろうとしていることを誰かの役に立つ、誰かが欲しがるカタチにすること、を考えることが必要、とも言えます。

 ただ、他の人のためになる、役に立つ、ということを優先していると、自分の利益がなくボランティアのようになってしまうかもしれないし、十分な利益が出ないという心配もあります。

 なのでやっぱり、まずは自分の利益、取り分を確保すること、“何が儲かるのか”を考えておかないといけないのでは?とも思います。

 誰かのためになることと、自分の取り分、どっちを先に考えるのが正解で、どっちがうまくいくのでしょうか?

バイブル『GIVE & TAKE』

 その答えを出せないでいるときに、『GIVE & TAKE』(アダム・グラント著)という本に出会いました。

 もう、表紙に「『与える人』こそ成功する時代」 書いてあるので、答えはわかったようなものなんですが、せっかくなので、簡単にその正解の概要を説明してみます。

 著者は本の中で、世の中の人は


・自分が受け取る利益より、相手に与える利益を多くする、受け取る以上に与えようとする人
=ギバー(GIVER)


・自分の利益を中心に考え、与えるより受け取るほうを常に多くしようとする人
=テイカー(TAKER)


・常に、与えることと受け取ることのバランスをとる、ギブとテイクを五分五分に保とうとする人
=マッチャー(MATCHER)

の3種類のタイプに分かれる、と言っています。

 この3種類の中で、どのタイプの人が最も成功すると言われているでしょうか?

 いろんな職業の人たちを対象に、どのタイプが成果を出すのか、テストをしたところ、最も成果が出なかったのが、ギバーだったそうです。

そして、最も成果が出たのもギバーだった。というのが興味深いところです。

最高と最低、両方ともギバーだとするの、両者の何が違うのでしょうか?

 それは、成果が最低だったギバーは、テイカーに与えるだけ与えて与えられるものが少なかった人で、ここでは『自己犠牲型』と呼ばれています。


 一方、最も成果が高かったギバーは、他者に与えることで全体の利益を増やすことを考えることができ、結果自分の利益も最大化される人で、『他者思考型』と呼ばれています。

 要は、他者に与えることを考えながら、自分の利益の設計もできている人が成功するギバーということらしいのですが、私は、テイカーとの接し方がキーになると考えます。

ギバーとしての、テイカーとの接しかた

 相手がギバーのとき、私が相手に与えたら、相手はそれ以上に与えてくれようとするはずです。

相手がマッチャーなら、私が与えたのと同じだけ私に与えてくれようとするでしょう。

 だから、私は相手に与えることだけ考えていたら、相手は勝手に私に返してくれるので、好循環ができるはずです。

 注意するのは相手がテイカーの場合。『自己犠牲型』にハマってしまう可能性があります。

これについて、この本に答えが書いてあります。それは、


まず、テイカーとはできるだけ関わらない。
関わる場合、は自分がマッチャーとして接する。

ということです。要するに、相手がテイカーなら、与えることと与えられることを五分五分に持っていうことを意識して付き合う、ということですね。

そうすれば、『自己犠牲型』にならずに済みそうです。

やっぱり、まず『与える』ことを考える

 と、いうことで、自分の仕事を設計するにあたって、まず相手に与える=相手の役に立つこと、相手が欲しいもの、を先に考えて作るのが良い、ということですね。

 そしてそれを実行する際には、テイカーの存在に注意する、ということも念頭においておきましょう。

 テイカーをどうやって見分けるか?とか、自分はギバーになれるのか?ということについても本では触れていますが、ここでは割愛します。

 あと、自分が相手に与えて、それが自分の成功につながるまでには一定の時間がかかる、というのも書かれています。本当のギバーは、その時間に対して鷹揚なんだそうです。

 どうしても自分の利益を考えてしまいますが、それに執着するテイカーは結局のところは、大きな成功は望めないようです。

私も実感としてそれを感じています。なので、ギバーとして振る舞い、自分に返ってくるまでの時間に鷹揚でいたいものですね。

まとめ

  • 世の中には『GIVER』『TAKER』『MACHER』の3種類が存在する
  • 先に『与える』ことを考える(=GIVER)
  • TAKER との関わり方に注意。『自己犠牲型』GIVER にはならないように。

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