事業をやるときや、それ以外でも何かを始めるときなど、もちろん成功したいと思いますよね。
そのときに、先人たちがどのように成功してきたか、を知りたくなると思います。そして、本で読んだり、ネットで調べたりして、成功した人がやってきたことや特徴などを参考にしたりマネしたりする人も少なくないと思います。
でも、ちょっと引っ掛かりませんか?ここでは、何が引っ掛かるのか、そして先人や過去の事例を参考にするときに注意が必要だと考えていること、について紹介したいと思います。
成功者とその特徴、必ずしも逆は成り立たない
よく、『成功者の特徴から学ぶ〇〇』とか、『成功者の共通点10選』みたいな本や記事を見ますね。私も、参考になれば、と思いその手の情報に触れてはきました。
確かに、『目標が明確』とか、『失敗を恐れない』とか、『決断力がある』とか、なるほど、と思えることはありますが、よく考えたら当たり前のことがあったり、みんながみんなそうでも無いんじゃない?というようなことがあったりもします。
その特徴や共通点は、本や記事によって、それぞれ5つだったり10個だったり、『100の習慣』みたいな数のものもあります。挙げていくとキリがないようで、どれを参考にしたら良いのか、これだけたくさんあったら、結局、自分ができそうなことを選んでやってみるしかない、ということになりそうですね。
なぜこんなことになっているのか、いろいろ考えるうちに、成功者とその特徴、逆は成り立たないのでは?と気づきました。
別の言い方をすると、『成功者』と、『特徴や共通点』は必要十分条件の関係ではない、ということです(この表現について、ややこしい、馴染みがないと感じたらスルーしてください)。
● 必要条件/十分条件 について
AならばB が成り立つ場合、Bが必要条件で、Aが十分条件です。その逆(BならばA)も同時に成り立つ場合、必要十分条件 となります。
例)犬は動物である。
『犬』であれば、それは必ず『動物』です。しかし、『動物』であってもそれは『犬』とは限りません。したがって、これは必定十分条件にはなりません。
『成功者にはこういう特徴/共通点がある』というのは、『成功者』ならば『この特徴を持つ』ということです。でもその逆は成り立たない。 すなわち、『この特徴を持っていれば』みんな『成功者』とは限らないのです。
したがって、それらの特徴や共通点をマネても、成功者になれるかどうかはわからない、ということになりますね。
成功は、いろんなことが重なって成立する
本や記事などで、成功者の過去の成功体験、事例をいろいろ見て、そのストーリーを詳しく読んでみると、成功したときって、自分の努力や才能だけではなく、外部環境の要因など、いろんな要素がうまく絡み合って成功に至っていることがわかります。タイミングが良かった、助けてくれる人が居た、ブームがあった、など。
と、いうわけで、成功は、そういった内部/外部の要因がうまく重なった偶然の産物、と言えると思います。もちろん、本人の能力や努力は相当にあったと思うし、不可欠だと思いますが、それさえあれば成功できるものではない、ということです。
なので、過去に成功した人のマネをして、同じことをしたとしても、同じく成功できる可能性は低いし、外部要因まで含めて完全にトレースすることは不可能ですね。
では、どうしたら良いでしょう?
成功は偶然、失敗は必然
成功は偶然が重なった結果、と言いましたが、一方で、成功した人も、もちろんその家庭でたくさん失敗してきています。
成功事例をいろいろと見てくると、同時に失敗例、失敗体験も知ることができます。
そういう失敗体験をよく見てみると、成功者たちの多くの失敗の原因はその本人にあるのでは?と気づきます。成功事例と違って、ほとんどの失敗は、自身の行動や考え方によって起こっています。
そしてもちろん、その失敗を乗り越えているから成功しているのでしょう。
と、いうことは、こちらは大いに参考にできるのではないでしょうか?
先人たちの失敗から学ぶ
先人たちの失敗例を参考に、なぜそうなったのかを分析し、自分は同じことをしないようにする。そうならないような行動や考え方を心がけ、事前に備える。
そして、もし失敗しても、必ず乗り越える。乗り越えた先にしか成功は無いと思いますから。成功者の特徴・共通点として、『成功する前に(わりと大きな)失敗をしている』というのは間違いなく言えそうです。
なので、どんなに備えても、どこかで失敗はあると思って、それが正常なプロセスだと割り切って乗り越えてみましょう。
先の成功者たちの体験や事例を参考にするなら、こういうスタンス、考え方でどうでしょうか?
まとめ
- 成功者の成功事例はそのままマネしてもダメ
- 成功者における共通点・特徴、逆は成り立たない
- 成功者の失敗を参考にして学ぶ
- 必ず失敗はするものと思っておく
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