「あの人は、感性が鋭いな」
「私はセンスがないから、無理かも…」
こんな言葉、聞いたり、言ったりしたことがありませんか?
私も、以前は、あまり気にしていなかったのですが、ふと『感性』というものを意識するようになり、
『感性』が高い人に憧れたり、自分もそうなりたい、と思ったりしたことがあります。
そうすることで、いろんなことを、より強く、より本質的に捉えられるような気がするからです。
ところで、“感性”って、何でしょうか?
どこか、特別な人だけが持つ先天的な能力だと思っていませんか?
でも実は、感性は一部の才能ある人にだけ与えられたものではない、ということに気づきました。
ましてや、磨けないわけでもありません。
感性は、生まれ持ったものというよりも、
日々の営みや体験をどう受け取るかで育っていく『感受の力』です。
今回は、「感性とは何か?」という本質と、よく混同される『センス』との違いにも触れながら、
感性を意識することの意味・意義と、その育て方について書いてみます。
1. 感性って、どんなもの?
『感性』とは、物事に触れたときに、どれだけ豊かに感じられるかという心の働きのこと。
辞書的には『外界からの刺激を感受する能力』とされ、
美しさに心を動かされたり、人の言葉に共感したりする力も含まれます。
つまり、感性とは“感じる力”です。
知識ではなく、正解でもなく、心がどう動くかのほう。
日常の何気ない景色や、誰かのひとこと、沈黙の時間にすら感性は宿っています。
2. センスとの違いって?
『感性』と混同されがちなのが『センス』。
たとえば「あの人はセンスが良い」と言われるとき、
それは服の組み合わせや発言のタイミング、選び方、判断の“巧みさ”を指すことが多いですよね。
このときの『センス』は、感じ取ったものを、どう判断し、どう表現するかという能力。
すなわち、
感性=“受け取る力(インプット)”
センス=“選び・表現する力(アウトプット)”
と定義できそうです。
ということは、
両者は別のものですが、情報や知識と同様に、インプットの質と量が高い(多い)ほうが、アウトプットの質も高くなる、
すなわち、
感性が豊かな人ほど、センスの土台が育ちやすいとも言えます。
言い換えると、
『感じたことがないもの』を、うまく表現したり選んだりするのは難しいということです。
3. 感性は『湧く』ものではなく『育つ』もの
「感性がある人は、才能がある人」
そう思ってしまうこともあります。
でも、感性は、突然ひらめくものではありません。
むしろ、じっくり観察し、体験し、実感を積み重ねることで“育っていく” ものです。
たとえば、料理をするとき。
ただ手順通りに作るだけでなく、
「今日はなんだか塩が強く感じるな」
とか
「この食材はこの器の方が映えるかも」
といった感覚に気づけるようになると、
そこに“感性”が働いていることがわかります。
また、掃除、日記、庭仕事、散歩…
“手を動かす”という習慣の中に、感じるきっかけがたくさん隠れています。
感性は、静かな時間と、小さな体験の積み重ねの中で、じわじわ育つものです。
そして、同じ環境で同じ体験・行動をしても、感性を意識しているかどうかで、インプットの質も変わり、育ち方にも影響が出るでしょう。
私自身、かつては「感性は、特別な人に備わったもので、自分には関係ない」と思っていた時期がありました。
毎日を『こなす』ことで精一杯で、何かを丁寧に感じることより、効率よく進めることが重要、と考えていたのです。
あるとき、外を歩いていたときに、ふと空を見あげて、青い空をキレイだと感じることがありました。
最近、ずっといろんなことに追われ、考えていて、何かをちゃんと“感じた”ことがなかったなぁ。と気づきました。
そうすると、風や空の色、車の音、虫の声、人の声のトーン、食事の味……
そういうものが気になり出しました。
それまでも同様にそこにあった、そういう気配を、ずっと受け取れていなかったことに気づいたのです。
それを、感じるように意識すると、なぜか、スッと視界が広がって、そのときに考えていた問題や悩みを、少し俯瞰で見られるような気がしたのです。
それが、『感じる力=感性』を意識しはじめたきっかけでした。
4. 感性を意識すると、何が変わる?
感性を意識し始めると、ものごとの捉え方や判断が変わってきます。
・他人の言葉の“奥の感情”を受け取れるようになる
・無意識に見過ごしていた景色に、ハッとする瞬間が増える
・表面的な情報に流されず、自分の感覚で選ぶようになる
たとえば仕事でも、正確さやスピードだけではなく、
「なんか、この案には納得感がない」
「このタイミングじゃない気がする」
といった“感覚”が判断を導いてくれることがあります。
それが積み重なれば、“センスのある選択” にもつながっていきます。
5. まとめ:まず、“感じる自分”を取り戻そう
感性は、誰かと比べたり、点数で測ったりするものではありません。
だからこそ、
「私には感性がない」と思ってしまう人ほど、まず“感じる自分”を取り戻すことが大切です。
いま、あなたの暮らしの中に、感性が宿っている瞬間はありますか?
料理をしながら、匂いや手触りを感じていますか?
すれ違う人の表情から、何かを受け取っていますか?
ふと空を見上げて、季節の匂いを感じていますか?
“感じること”に、理由も正解もいりません。
ただ、そこにあるものを、まっすぐに受け取って、ちゃんと自分の中に容れること。
それが、あなたの感性を育てる最初の一歩になります。
もし、少しでも気になるなら、
今日一日だけでも、“感じてみる時間” を持ってみてはいかがでしょうか。
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