これまでの記事で、STP分析とはどういうものか、について(記事『STP 分析で自社(自身)の立ち位置を決める』参照)、また、そのうち1つ目の項目『セグメンテーション』について(記事『STP分析 項目①セグメンテーション』参照)紹介しました。
そして、今回は、『ターゲティング』について紹介します。
ターゲティングとは
『セグメンテーション』の項目で分類したセグメントをそれぞれ評価し、どのセグメントを選んでアプローチするか、を決めるのがターゲティングです。
前回のセグメンテーションリストを例にとると、下のようなイメージです。
適切にターゲティングするためには、それぞれのグループの特徴と、自社(自身)の商品・サービスの強みや価格帯などを照らし合わせて、最も効果が高い(と思える)セグメントを選べるようにすることが必要です。
また、競合他社の状況も考慮し、どのセグメントの顧客が、自社(自身)の商品・サービスを、より魅力的に感じてもらえるか、という視点で優先順位をつけてみることも大事です。
ターゲティングの方法
一般的に有効とされる方法として、『6R』がありますので、紹介しておきます。
6Rとは、次の6つです。
① Realistic scale
② Rate of Growth
③ Rank
④ Reach
⑤ Rival
⑥ Response
それぞれの項目について、簡単に説明します。
① Realistic scale
『Realistic scale』は、市場規模を意味します。
市場規模が大きすぎると競合も多くなり、顧客獲得のために費やす労力や資金も増えます。
逆に、市場規模を小さくしすぎると、利益を出すために必要な最低限の顧客を確保することが難しくなります。
したがって、適切な市場規模を見極めることが必要です。
② Rate of Growth
『Rate of Growth』は、市場の成長性を意味します。
長期的な視点では、成長する可能性のある市場を選ぶ必要があります。
いまは小さな市場でも、成長性が高ければ、将来的に大きな市場になり、ターゲットとして魅力があると言えます。
③ Rank
『Rank』は、その市場での優位性を意味します。当然、自社(自身)の優位性が高い市場を選ぶと、高い効果も期待できます。
④ Reach
『Reach』は、その市場において顧客に商品やサービスが届く可能性の高さを表します。
例えば、遠すぎる、など物理的に届けるのが難しいような市場の場合、ターゲットにするには向いていません。
⑤ Rival
『Rival』は、その事情における競合の状態を表します。もちろん、なるべく競合が少ないほうが有利です。
まず、競合の存在や状況をチェックし、自社(自身)が差別化できるかどうかの確認が必要です。
⑥ Response
『Response』は、マーケティングに対する反応を、どの程度測定できるか、を表します。
効果的にマーケティングを進めるためには、その都度効果の測定をすることが重要になります。
ターゲットの反応が測定・把握しにくい市場を選ぶと、効果が出ているのか、がわかりにくく、次に打つ手も見つけづらくなります。
以上、ターゲティングで意識すると良い6つのポイントを紹介しましたが、必ずしも全てを満たさなければならない、というものでもなく、総合的に見て自社(自身)に適している、有利に展開できそう、という条件を選んでいくのが良いでしょう。
ターゲティングのコツ
1) ターゲットはできるだけ絞り込む
ターゲット像は、思い切って狭く、できれば一人の顔が浮かぶくらいまで絞り込むのが理想です。
そうすることで、その人が喜ぶことは何だろう? どうやったらサービスを欲しいと思ってもらえるか? など、アイデアが浮かびやすくなります。
2) 理想の状態から逆算する
こういう状態になっていたい、という理想の状態を、できるだけはっきりイメージして、そうなるためには何が必要だろう? どういう人が居たらそうだろう? ということを考えます。
それによって、自社(自身)に合ったターゲットを見つけられます。
3) 定期的に見直す
市場の状況は、一定ではなく、かなり早いスピードで変化しているものです。
市場の規模や、流行、好みなど、どんどん変わっているので、一旦決めたターゲットでも、時間が経つとマッチしなくなる可能性があります。
そのため、定期的にターゲットを見直す必要があります。
まとめ
- ターゲティングは、『セグメンテーション』の項目で分類したセグメントから、どのセグメントを選んでアプローチするか、を決めること
- ターゲティングの方法6つ
① Realistic scale
② Rate of Growth
③ Rank
④ Reach
⑤ Rival
⑥ Response - ターゲティングのコツ3つ
1) ターゲットはできるだけ絞り込む
2) 理想の状態から逆算する
3) 定期的に見直す
以上、今回はターゲティングについて説明しました。
このあと、ポジショニングをおこなうのですが、それは別記事で紹介します。
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