前回記事:『成功事業シミュレーションの手引き【準備編】』では、シミュレーションに必要な情報・データ整理までを説明しました。
(シミュレーションの概要については、過去記事:『このアイデア、事業になるのか?うまくいくのか?』参照)
この記事では、準備したデータを使って、実際にシミュレーションをおこなう方法・手順について解説します。
販売数を設定する
これは、最終的には、生産能力や、市場規模、ニーズなどを加味して決定しますが、ここでは、シミュレーションのベースになる数値を決めるだけなので、まずはなんとなくの感覚で決めて構いません。いずれにしても、あとで調整します。
もちろん、最初から限界数(1ヶ月に仕入れられる量や設備の限界など)がわかっている場合は、それを上限にします。
例)販売数設定
売上額を計算する
次に、1. で設定した販売数から、各商品の売上額を計算します。
売上額 = 商品単価 x 販売数
例)売上額設定
各商品の売上額を合計したものが、全体の売上額になります。
その結果(売上額合計)が、最初に想定していた売上額(目標値)と近いかどうかのチェックをします。もし、大きく離れているようなら、販売数の設定をやり直す必要があるかもしれません。
また、1.と2. の手順を逆に、つまり、売上額から販売数を算出して設定するやり方もあります。
販売数 = 売上額 ÷ 商品単価
いずれにしても、あとで数値を何度か調整するので、どちらでもやりやすいほうで設定してもらって構いません。
原価の計算
前回記事で、商品の原価を計算しました。
例)商品ごとの原価
これは、商品1つあたりのものなので、先ほど設定した販売数をかけて、全体の原価を把握します。
原価合計 = 商品(単体)原価 x 販売数
例)商品の原価と販売数
↓↓
原価合計
経費の集計
次に、経費を確認します。
人件費については、複数年の計画を立てる場合、人員や賃金の変動を考慮して算出すれば、より精度の高いシミュレーションができます。
例)人件費の5カ年推移
ただ、かなり複雑になってしまうので、ここまでの精度が必要ないと判断すれば、もっと簡単に、ザックリした数値設定でも構わないでしょう。
その他の経費(固定費)については、経年で変動があまりないようなら、固定の数値を用いても構いません。
収益の算出
これまで算出した数値をリストアップし、営業利益を算出します。
営業利益 = 売上額 – 原価 – 経費
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上額
例)5カ年の収益計画表
まとめ
今回は、準備したデータを用いて、収益計画までを算出する手順を紹介しました。
- 販売数を設定
- 売上額を計算
- 原価を計算・集計
- 経費を集計
- 収益の算出
ただし、シミュレーションはここで終わりではありません。むしろ、ここからが本番と言えるかもしれません。
ここから、売上や利益は、当初見込んでいた数値になっているか、ちゃんと実行できる数値になっているか、などを精査する作業があります。
それを何度か繰り返して、現実的で、かつ、望んだ利益が出せる、『これだ!』というポイントを見つけてください。
それが見つかったら、次のステージに進めます。
自信と具体的なイメージを持って進めるために、そのポイントを見つけることが重要です。
その具体的なやりかたについては、次の記事で解説いたします。
このシミュレーション作業、私がやる際には、スプレッドシートなどで、一気に計算できるようなツールを作って作業を進めます。
もし、こういった作業をご自分でやるのはハードルが高い… というかたは、一度ご相談ください!
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