『Not To Do List』を「使い続ける」ための4ステップ

前回の記事で、「やらないことを決めると、判断が速くなる」とお伝えしました。

今回は、
「『やめる』を仕組みに変える ― Not To Do List 実践編」として、

その『やらないこと』をどうやって見つけ、
どうやって継続的に運用していくか、
を具体的に整理します。

「やらないことを決める」と頭では分かっていても、
実際に行動を変えるのは、簡単ではありません。

焦りや不安、周りへの遠慮、そして“惰性”の力。

これらは想像以上に強く、気づけばいつの間にか、
『やらなくてもいいこと』をまた抱え込んでしまいます。

だからこそ、“感覚”ではなく“仕組み”として
自分を整える方法が必要になります。

その仕組みが、Not To Do List(やらないことリスト) です。

目次

1. Step-1 現状を書き出す ― 無意識の行動を『見える化』する

最初のステップは、シンプルですがとても重要です。

「やめる」前に、まず“自分が何をやっているか”をすべて書き出すこと。
紙でもスマホでも構いません。

朝起きてから寝るまでの行動、よくやる習慣、
頼まれて何となく引き受けていること――

思い浮かぶままに、全部書き出してみてください。
細かいことまで挙げていくと、驚くほど多く出てきます。

一度に書き出そうとしなくても構いません。
あとから思い出したことを付け加えても良いのです。

ポイントは、判断を入れずに書くこと。

「これは良い」「これは悪い」と考え始めると、
本音が出てこなくなります。

ある経営者は、1週間分の行動をすべて記録したところ、
その3割が『意味のない報告』『誰のためでもない会議』
だったと言います。

でも、その事実に気づくまで、本人は“忙しい”と信じて疑わなかった。

まずは“見える化”から始める。
ここが、すべての起点です。

2. Step-2 『目的』に照らして仕分ける

次に、そのリストを眺めながら問いかけてみましょう。

「これは、自分の目的に沿っているか?」

ここで言う“目的”とは、売上や数値ではなく、
「どう生きたいか」「何を大切にしたいか」という軸のことです。

たとえば――

・惰性で続けている定例ミーティング
・“とりあえず”返信しているメッセージ
・なんとなく参加している集まり

どれも一見、必要に思える行動ですが、
自分の本当の目的に照らし合わせると、
“違う”と感じるものが出てくるはずです。

やめる勇気とは、

“何を大切にしたいか”を明確にする勇気でもあります。

「誰かに迷惑をかけるかもしれない」とか、
「やめたら空気を読めないと思われそう」とか、

そういう、他者目線の基準ではなく、

「自分がどうありたいか」
を基準にして仕分けてみましょう。

ここで仕分けても、また戻すことはいつでもできるので。

3. Step-3 『やらないこと』を言語化する

次に、やらないと決めたことを言葉にします。

ここで意識したいのは、行動そのものではなく、判断基準を記すこと。

たとえば:

・焦って決めない
・相手の反応に合わせて予定を変えない
・目的が曖昧な打ち合わせには参加しない
・感情が整っていないときは返信しない
・電話で仕事をしない

など。

これらを一度書いてみると、
『分がどんな判断を無意識にしていたか』が見えてきます。

あるクライアントは、

「感情が乱れているときは即決しない」

をNot To Doに加えたことで、
判断ミスが大幅に減ったと話していました。

Not To Do List を整理すると、
自分を戻す“基準点” が明確になります。

心が揺らぐ瞬間に立ち返る、冷静な鏡のような役割を持っています。

4. Step-4  定期的に『検証』して更新する

リストは、作って終わりではありません。
人も環境も変わるのだから、リストも変わっていい。

月に一度、もしくは季節ごとに、
「いまもこれは必要か?」
と見直す時間をつくってください。

書いたときは“やらない”と決めたけれど、
実際にやめてみたら
「少しは必要だった」と気づくこともあります。

逆に、「もう二度とやる必要がない」と思えるものも出てくる。

この検証の繰り返しが、
あなたの判断軸をより精度の高いものへと磨いていきます。

Not To Do List は、静的なチェックリストではなく、
あなたの変化を映す“生きたツール”なのです。

この繰り返しが習慣になることで、
日常的に、「これはやる必要があることか?」と考える癖もついて、
どんどん効率も良くなっていきます。

5. まとめ ― 「“やらないこと”を決める」は、前に進む力になる

“やらないこと”を決めるのは、後ろ向きな行為ではありません。
むしろ、それは「進むための準備」です。

やらなくてもいいことを手放すことで、
心にも時間にも余白が生まれます。

焦りは薄れ、思考が澄んでいく。

その余白の中で、
『自分が本当にやりたいこと』が静かに浮かび上がってきます。

Not To Do List は、
努力を減らすためのツールではありません。
本当に必要な努力だけを残して集中するための仕組みです。

“やらないこと”を決めて、やめることで、前に進む。
それが、次の展開を生み出す最初の一歩になります。

ぜひ、『Not To Do List』
一度やってみてください。

繰り返しが習慣化できるようになったら、世界が大きく変わっているはずです。

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【関連記事】
 過去記事:「1日を27時間に!業務の最適化への道(1)(2)
 外部記事(note):「やらないことを決める勇気ーー『Not To Do List』のすすめ」

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