考えても決められないのは、“判断の軸”が見えていないから

「やることは見えているのに、何から手をつけるべきか分からない」

そんな声を聞くことがあります。

実はこれ、「考えが足りないから」でも「行動力がないから」でもありません。

多くの場合、“判断”というフェーズが整理されていないだけなのです。

これまでお伝えしてきたように、

構想 → 判断 → 決断

という3つの段階(フェーズ)は、思考や計画を進めるうえでの基本構造です。

前回記事では、そのうちの“構想”フェーズについて書きました(前回記事:「『できるかどうか』で考え始めると、何も始まらない」参照)。

今回は、次の段階、“判断”にフォーカスしてみたいと思います。

目次

1. 『判断』フェーズとは?

構想フェーズでは、やりたいことや気になることを広げる時間でした。

そこでは、現実は一旦置いておいて、広げるだけ広げるのが良い、ということでした。

そして、それがある程度出そろってきたら、次に必要なのが、そのなかから『選ぶ』こと。

この段階が、判断フェーズです。

ここでは、まだ『決める』必要はありません。

判断とは、『選択肢を比べて、軸をもとに整理すること』です。

たとえば、

今すぐやるべきことか、あとでも良いことか

効果が大きいことか、小さいことか

自分が本当にやりたいことか、そうでないか

こうした視点で、広げた構想を整理していくことが、判断フェーズの役割です。

2. 判断がうまくできないときに、起きていること

判断に迷っているときは、いくつかの共通したパターンがあります。

判断基準(軸)がはっきりしていない

他人の価値観や評価軸を基準にしようとしている

・「今、一つ選ばなければならない」という思い込みで焦っている

判断と決断を混同してしまっている

こうした状態では、どれだけ考えても『判断』には至りません。

なぜなら、軸が定まらない限り、比べようがないからです。

3. 判断を整理するための視点

判断をスムーズに進めるには、まず『軸』を明確にすることが大切です。

今の自分にとって、何を一番大事にしたいのか?

どんな未来を優先して実現したいのか?

どこでリスクを取って、どこで堅実に進めたいのか?

こうした問いを通じて、自分の判断基準を言語化していく。

頭の中でぐるぐるしていた思考が、紙に書き出すことで整理されていきます。

また、こんなやり方もおすすめです。

「あえて選ばないとしたら、何が起きるか?」を想像してみる

「どれもやらないとしたら、最も困るのは何か?」と問いかけてみる

こうして視点をいくつか変えてみることで、自然と判断の優先度が浮かび上がってくることがあります。

4. 実際の現場で

過去にあった相談の中で、こんなことがありました。

「A案とB案、どちらを選べば良いのか分からない」

と言うクライアントに、

「何を優先したいのか?」

を一緒に言語化していきました。

そうすると、決められない原因のひとつに、

「やりたい」

と、

「やらないといけない」

が混ざり合って、選べない、というのがあることがわかりました。

「自分の時間を確保しながら、納得いくことをじっくりやりたい」

「いろんなことをやって、早く成果を出さないといけない」

という二つの感情の間で、立ちつくしていた感じです。

「こうありたい」「こうしたい」

と、

「こうあるべき」「こうすべき」

というのは、違いますね。さらに、「こうしたほうが良い」「こうしたらうまくいく」などの、外部からの情報も入ってきたりすると、もう大混乱です。

この場合、やっぱり、“軸”に忠実に考えることをお勧めします。

このかたは、落ち着いて話していくうちに、

「時間を確保したい」

「今はスピードより継続性を大事にしたい」

というのが軸だということが見えてきました。

その結果、「B案のほうが、自分にとって無理なく継続できそうだ」という納得感のある判断ができたのです。

私自身も、

A:「早く収入を得るために、苦手なこともイヤなこともやらないといけない」

B:「自分が得意なこと、やりたいことをしっかりやりたい」

という、二つの考えで迷ったことがあります。そして、その時々で、Aを選んだり、Bを選んだりしましたが、いまから振り返ると、やはり、“軸”に沿った答えを選んだほうが、あとで後悔が少なかったと感じます。

5. まとめ:判断の整理が決断につながる

『判断』と『決断』は、似ているようで違います。

判断は、“選び方”を整える段階。いっぱい出した選択肢から、選んで絞るまで、のことです。

決断は、“選んだあと、それをやると決めて進む”ことを意味します。

まずは、判断をきちんと整理しておけば、決断のときに迷いが少なくなります。

また、一気に決断しなくて良い、と思えば、判断のプレッシャーも軽くなるのではないでしょうか。

結局のところ、『構想 → 判断 → 決断』という流れを丁寧に進むことで、

自信と納得感を持って行動できるようになるのです。

次回は、この判断の先にある『決断』フェーズについて、深く掘り下げてみたいと思います。

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