前回までの記事で、思考を見える化・構造化し、
さらにそこから戦略と計画に落とし込むことについてお伝えしました。
今回は、そこから実行に移す段階について触れていきます。
計画を立て、いざやろうとするとき。
「やらなきゃ」と思いながらも、
動けなくて止まってしまうときがあります。
考えても、どこから手をつけたらいいか分からなくなる。
考えすぎて、思考が混乱してしまう。
そんなときほど、
“動くこと”そのものが、
思考を整理し、やることがクリアになります。
頭の中をいくら整えようとしても、
実際に動かしてみないと、
見えてこないことがたくさんあるからです。
1. 頭の中だけで整理しようとすると、動けなくなる
「今のままでいいのか」
「何からやるべきか」
と考えているうちに、
どんどん思考が絡まっていくことがあります。
それは、考えている対象が“動いていない”からです。
頭の中では、すべてが静止画のまま。
だから、あらゆる可能性を同時に抱え込んでしまう。
たとえば、
・新しい企画を考えているとき
・仕事の優先順位を決めたいとき
・誰かに何かを伝えようとしているとき
どんな場面でも、
「動かしてみる」ことで、状況は一気に整理されます。
紙に書き出す、誰かに話す、試しに一部分だけ実行してみる。
それだけで、頭の中の“行き止まり”がほどけていくことがあります。
2. 動いてみると、「現実の反応」が整理を助けてくれる
人は、自分の中だけで考えているときよりも、
“外の反応”を見たときのほうが、判断が速くなります。
たとえば、新しい商品やサービスのアイデア。
頭の中で考えているうちは、
「この案も良さそう」
「あれもできそう」
と、全部に可能性を感じる。
けれど実際に形にしてみると、途端に現実が教えてくれます。
「これは思ったより響かないな」
「ここはもっと簡単にできる」
「こっちは想像以上に喜ばれた」
つまり、
動くことで、何が合っていて、何が違うかが見えてくる。
それが整理の起点になります。
“考えて決める”よりも、“動いて比べる”。
この順番のほうが、ずっと現実的です。
3. 動けば、思考は自然と整う
動くと、目の前の現象が“問い”を投げかけてきます。
・なぜ、これはうまくいったのか?
・どこに時間がかかっているのか?
・何を優先したらいいのか?
そうやって現実が“フィードバック”を返してくれる。
だから、動くほど思考が整理されていくのです。
「ちゃんと考えてから動こう」
と思うより、
「動きながら考えよう」
と切り替えるだけで、
行動のハードルが下がり、結果的に判断の質も上がります。
4. 迷っている間に、小さく試す
動けないときは、たいてい「どれを選ぶか」で止まっています。
でも、その“選ぶ”を行動で済ませてしまう方法もあります。
たとえば、3つ案があって決められないなら、
小さく3つとも試してみる。
それぞれの感触や反応を見て、合うものを残せばいい。
考えて答えが出ないなら、そのまま悩み続けるより、
動いて確かめるほうが、何倍も速く整理できます。
最初から正解を選ぶ必要はありません。
動くことで、間違いが明確になり、
それを消去することで、正解を見つけることに近づきます。
5. 動くほど、整う
動くことで、頭の中の情報が“現実に並び替えられる”ような感覚があります。
たとえば、部屋を片づけるとき、
「どこから手をつけよう」
と迷っている間は何も進まないけれど、
とりあえず、目につくところから始めてみる。
そして、一度動き始めると、どんどん進んで、全体が見えてくる。
思考の整理も、それと同じです。
動くこと自体が、整える行為。
動きながら考え、考えながら動く。
そのリズムが生まれると、行動の量よりも“質”が変わります。
6. まとめ
動かすことで、見えてくるものがある。
考えているだけでは見えなかった“現実の反応”が、
整理の手がかりになります。
大きく構える必要はありません。
思いついたことを、少し動かしてみるだけでいい。
動くたびに、迷いが減り、判断がクリアになる。
その積み重ねが、流れをつくっていきます。
迷ったらまず動く。
小さな動きが、思考の整理につながります。
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【関連記事】
過去記事:「思考を外に出すと、動き出す ― 書く・話す・描くで、“現実化”が始まる」
「見える化で、関係が見えてくる ― 思考を構造化する“整理の技術”」
「構造を戦略に変える ― 計画の筋道を描く」
外部記事(note):「動かすことで見えてくる ― 小さな行動が大きな流れをつくる」
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